2019年01月16日

ホーム AC パワー アナライザ ⇒ 家庭の電気消費を見える化する
その6:インターフェースの製作(家庭の全体の消費電力用)と校正

回路図と写真はここです。
Interface distribution board.pdf

1. しくみ
家庭に供給されている100Vの電力はL1とL2(L: Live)の2系統で供給され、交流電流はL1とN(N:Neutral)の間を交互に、L2とNの間を交互に流れます(単相3線式)。2系統は互いに位相が逆になっています(つまり、山と谷が逆になっている)。家庭の100V 機器はどちらか片方に接続されています。消費電力の大きな200V機器(大きめのエアコン、食洗器、IHヒーターなど)にはL1とL2の100Vずつを足し合わせて200Vを供給しています。電流はL1とL2の間を交互に流れます。
Interface distribution board principle.png

L1+L2.jpg

そうすると、家庭全体の消費電力を測るには、L1とL2の電流と100Vと200Vの電圧の情報を読み込まなくてはなりませんが、パソコンのオーディオ入力は2チャンネルしかありません。そこで、ちょっとした工夫(と少しの妥協)が必要になります。
上の説明図をご覧ください。100V 機器への電流はL1かL2のどちらか一方を通りますので、どちらかのCTにより検出されます。L1用とL2用のCTは直列に接続されているので、電流の強さを表すL1とL2からの信号は加算(つまり、CTの方向をそろえることが重要)されてパソコンへ入力され、電圧と掛け算されて電力を計算します。
一方、200V機器に流れる電流はL1とL2の両方で検出され、100V機器の電流の信号と一緒にパソコンへ送られます。もちろん、パソコン側では100V機器の電流か200V機器の電流かは区別できません。では、電力を計算するには100Vを掛けるのか、200Vを掛けるのか?じつは、L1とL2の両方で検出されるということは、実際に流れている電流の2倍の信号がパソコンへ送られる訳です。したがって、(V x 2) x Aと、V x (A x 2)の掛け算の答えは同じなので、100Vを掛け算してやれば200V機器の正しい電力が計算できます。「少しの妥協」とはホームACパワー アナライザに表示される200V機器の電流は実際の2倍で表示され、電圧は100Vと表示されることです。
回線図では電圧の信号をL2から取っていますが、実際は配電盤の近くに設置されているコンセントを利用しますので、L1になるかもしれません、その場合は電圧と電流の位相が逆になる(グラフの山が逆方向)ので、プラグを逆にさせばOKです。厳密に言えば、L1とL2の電圧は少し違うかもしれません。気になる人は200Vから取ればL1とL2の平均電圧になるのでより正確になりますが、200Vのコンセントが近くになければ配電盤から直接取ることになります。ただし、接続する機器の認証や電気工事士の資格が必要になるので、ここではお勧めしません(ちょっと危険な実験室の趣旨を外れますが…)。

2. 校正(調整)
校正の手順は「その4:ダミーインターフェースを使用して試してみる」と「その5:インターフェースの製作(個別機器用)と校正」を参考に行ってください。
違うところは
- 電圧の校正は個別機器用インターフェースと同じですが、電圧の信号を200Vから取る場合はマルチメーターの電圧の読みを半分に(100V)して校正してください。
- 電流の校正はCTを配電盤に取り付ける前に行います。個別機器用インターフェースと似たような手順で、100W電球を使用します。まず、CTを1個取り付け、大体の電流(1Aとか)を入力します。次に2個目を、CTに刻印されている矢印が同じ方向を向くように取り付け、電流が2倍になるのを確認します。電流がゼロになる場合は、CTの極性が逆に配線されています。2個分が加算されると電流は2倍に表示されるので、マルチメーターまたはクランプメーターの読みを半分にして校正します。

他は個別機器用インターフェースと同じです。

とりえず、当実験室が開発した「ホーム ACパワー アナライザ」の解説を終わりますが、今後も測定した結果はブログネタとして発表できれば良いと考えています。

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