2020年05月03日

偏光フィルムの入手先

最近 YouTube の英語の動画の方で大きいサイズの偏光フィルムの入手先を知らないかと聞かれ、ググっていたら台湾のこんなサイトを見つけました。
https://3dlens.com/ から LCD Polarizer Film に入ってください。
17インチ ノートパソコン用の偏光角45度のフィルムも有るようです。値段も安いです。さっそく8インチのフィルムをオーダーしました。このページでも写真を載せているRFネットワークアナライザの修理に使用する予定です。


2020年04月04日

中性洗剤の溶液を使用して貼り付けた4ヵ月後です。

前回の続きです。
新型コロナウイルスで身動きができなくなる前にジャカルタから急遽帰国して、今週からは日本からテレワークです。2週間の自己検疫で家に軟禁状態です。

偏光フィルムを張り替えた液晶パネルがどうなっているか気になっていたので、さっそくチェックしました。
After4month.jpg
ご覧の通り、気泡はかなり減って大き目の気泡が3個残っているだけです。あと数ヶ月もすれば気泡は全部抜けてくれると期待しています。
また、前回書いたように、ゴミの侵入は全く無いようです。ただ、張り付けた直後に無理をして気泡を追い出そうと悪あがきした時に付いた傷は当然ですがそのまま残っています。

偏光フィルムを張り付ける方法としてはこれが一番良いと言えそうです。ただ、張り付けた直後は悲惨な状態ですけどね。


2020年01月05日

当実験室のオリジナル測定器:交流電圧・電流発生装置

以前、当実験室で使用している出力200Wの実験用交流電源装置を紹介しましたが、これをマルチメーターの校正用に使用するのはまるで牛刀で果物の皮を剥いているのと同じで、使いにくく、精度の問題もありました。
http://hirakawa-jp.sblo.jp/article/186624237.html

上から.jpg

そこで、当実験室で修理したマルチメーターR6551の交流レンジの校正を再度行うために、校正用に適切な出力を有する交流電圧・電流発生装置を開発しました。

写真をクリックで拡大



スペック的には
周波数40Hz〜3kHz
(マルチメーターの交流レンジ校正時の周波数はメーカーにより指定が違うが400Hz〜1kHzを使用)
電圧出力:ハイレンジ Max 960V、ローレンジ Max 120V(電流は定義せず、多分最大5mA程度か?)
電流出力:ハイレンジ Max 3A、ローレンジ Max 300mA(Max 時の電圧は6V)

電流測定中.jpg

装置自体には電圧計/電流計は取り付けず、校正対象のマルチメーターと信頼できる精度の高いマルチメーターを並列/直列に接続して使用するようにしました。よって、開発に留意すべき点は電圧/電流の短〜中期的な安定性とノイズの少なさです。







内部.jpg

開発方針としてはなるべく手持ちのパーツを使用し、シグナルジェネレーターとパワーアンプは通販で買える中国製の基板を利用し、開発期間を短くする事にしました。結果的に安価に仕上がっています。




使用しているトランスはBlock社のAVB1.5/2/6で、特殊かもしれませんが、RSコンポーネントから購入できます。
https://jp.rs-online.com/web/p/pcb-transformers/6675284/
同じトランスをホームACパワーアナライザでも使用しています。
http://hirakawa-jp.sblo.jp/category/4507012-1.html
詳細は回路図と写真を参考にしてください。

詳しい説明は省かせていただきますが、苦心した点を紹介します。
電流出力は同じ電流ならなるべく電圧を低くして、必要な電力を少なくしたいです。今回開発した装置はアマゾンに出店しているショップから購入した、デジタルパワーアンプTPA3118をPBTL接続した中国製のモノラルアンプ60W出力の基板です。ICのデータシートによると出力に接続できる負荷インピーダンスは最低で2Ωなので、2Ωの負荷抵抗に3A流すには6V必要です。つまり、18W。それだけの電力を負荷抵抗に消費させると、使用する抵抗のワット数にもよりますが、かなり温度が上がり、抵抗値の精度に影響を与えます。したがい、負荷抵抗はなるべく低くしたいものです。
最初の設計ではトランスの使用を考えてみました。二次側の電圧を1.5Vにして、負荷抵抗を0.5Ωにすれば3A流れ、必要な電力はたったの4.5Wで済みます。しかし、市販されているトランスには出力1.5Vなどありません。複数のトランスを組み合わせて必要な電圧を得るにも、二次側に3Aを流せるトランスはかなり大きなサイズになります。専用のトランスを製作すればよいのでしょうが、ワンオフで作るにはかなり高価になるでしょう。結局、トランスはあきらめて、アンプの出力を直接負荷抵抗に接続することにしました。
実は、2Ωの負荷に3Aの電流を流しても必要な電力は18Wなので、アンプの出力は30Wもあれば十分と考えTDA8932を使用したモノラル35W出力の基板を購入。ところが、試してみると連続出力の場合の出力は定格の1/3〜1/2程度しかありません。定格の35Wは音楽や音声を出力する場合のようです。また、ICのデータシートにはヒートシンクは不要と書いてありますが、実際は連続出力ではかなり熱くなり、放熱を考えておかないといけません。
amp.png

この失敗を元に、TPA3118の60W出力のアンプに取り換え、装置内部の写真でわかる通り、小さな放熱板(aitendoから購入した小さなヒートシンクを秋月で買った熱伝導性の接着剤で張り付けた)とファンを使用しています。なお、このアンプはそのままではゲインが有り過ぎるので、基板上のR27(100K)のチップ抵抗を取り除きゲインを20dBに下げています。
アンプには古いパソコン用の電源を流用して16Vを供給しています。
アンプの出力はディレイタイマを使用しスイッチを入れてから1秒ほど遅れて負荷に接続するようにしました。そうしないとポップノイズで接続したマルチメーターなどを壊してしまうかもしれません。
DDSOSC.png

DDSのシグナルジェネレーターは同じく中国製の超安価のものです。これはATMELのマイコンの8ビット パラレルポートにR-2Rラダー抵抗のD/Aを使用した簡易的なDDSですが、周波数はMax 3kHzなのでこれで良いでしょう。
ケースを分解して、LCD表示部と本体基板を分離しています(実は、これは大変な作業でした)。オリジナルの出力回路ではDDSシグナルジェネレーターをOFFにしたときに直流が出力されてしまします(最大電圧の1/2の電圧)。この時に大きなポップノイズが発生する事になるので、出力を添付の図のように改造しました。ついでに、ローパスフィルタを兼ねて、8ビット出力をスムーズにします。また、電源は5VのレギュレターIC(LM1117-5.0)を取り外して直結にして、オリジナルの定格供給電圧9Vを5Vに改造しています。シグナルジェネレーターの出力は900mVrmsに調整しました。これで出力の最大電圧・電流を少し超えるくらいです。
交流出力信号は内蔵のDDSオシレータの出力を使用するとノイズが多いのか、5桁のマルチメーターでは最小桁が安定しません。したがい、シグナルジェネレーターの内蔵/外部信号の切り替えを設け、外部のファンクションジェネレターを使用できるようにしました。4桁程度の安価なマルチメーターの校正には内蔵のシグナルジェネレーターでも問題ありません。
AC_Generator_Main_1_v2.png
AC_Generator_Main_2v2.png
DDS Generator.png




















重要
最後ですが、一番重要な事を書いておきます。これを守らないとマルチメーターを壊します。
この交流電圧・電流発生装置は使用時の過電圧/過電流に対する対策はほとんどありません。したがい、スイッチのON/OFF、内部/外部の切り替え時などにポップノイズで瞬間的な過電圧/過電流が発生する可能性が大きいので、操作時は必ず電圧/電流を最小に絞ってから切り替えてください。また、外部オシレータからの入力が高すぎると同じく過電圧/過電流になります(900mVrmsを入力すること)。これらの対策を完全に行おうとすると、そちらの方が技術的に難しく、時間と費用が何倍もかかります。あくまでも、個人で、たまにしか使用しない事を前提に製作したものなので、これを参考に自分でも製作しようと考えている方は肝に銘じておいてください。

あくまでも、自己責任でどうぞ!



posted by ひら at 19:15| Comment(5) | 測定器

2019年12月31日

接着剤タイプの偏光フィルムを張るときに中性洗剤の溶液を使用してみました

液晶パネルの偏光フィルム(以前は「偏光板」を書いていたのを、ここから「偏光フィルム」と書きます)を張り替える動画をYouTubeに上げていたら、張り付ける時に自動車の窓ガラスのフィルムを張る要領で中性洗剤を使用してみたらとの提案が有りましたので、さっそく試してみました。
偏光フィルムの切れ端を窓ガラスに張り付けて予備実験をしてみると、張り付けた直後は空気の微小な泡が全体に広がり、曇ったようになりますが、3日もすれば集まって目に見える泡になります。貼り付け時はパネルの表面でツルツル動くので位置決めが難しい問題は解消です。泡はいずれ時間がたてば消えると思われるので、使えそうな方法です。
中性洗剤の濃度は位置決めの容易さ(ツルツルさ)と発生する泡の量の妥協点で0.05%〜0.1%程度が良いようです。霧吹きに100ccの水を入れ、中性洗剤をスポイドで1〜2滴の感じです。

そんな訳で、実機で試してみました。

SoonAfter.jpg

写真は張り付けた直後です(クリックで拡大)。一面に白っぽい微小な泡と、数ミリ程度の比較的大きな泡が残り、追い出すことができません。大きな泡は追い出せそうな気がするのですが、どうも外周だけが接着された状態(排水されて接着性が戻る?)になり、私の場合、何回もフィルムを擦ったせいで表面の一部がキズキズになってしまいました。あまり深追いはしない方が良さそうです。
5days.jpg

これが、5日後です。細かい泡が集まって比較的大きな泡になっています。







15days2.jpg

これが、15日後です。小さめの泡は消えているようです。さらに虫めがねで見てもゴミが入り込んだような泡が見当たりません。他の方法ではどうしても1〜2ヵ所に小さな繊維くずのようなゴミが入り込み、貼り付け時に形成された他の気泡が消えた後も、ゴミにより形成された気泡は永久に残ってしまいました。静電気が発生しない為か?位置決め時にためらう事無く直ぐにフィルムを貼れる為か?最終的な結論は泡が全部抜けてからになりますが、かなり期待できます。

現在ジャカルタに出稼ぎ中で実機にアクセスができません。半年後くらいには一時帰国できそうなので最終結果を報告します。

続く…



2019年09月29日

当実験室のオリジナル測定器:交流電源装置

実験用の電源は直流であれば新品でも安いし、ヤフオクにも中古が多く出品されています。当実験室でも小型のものから、大きなものは16V-40A、1000V-60mAなど数台所有し、各種の実験にはほぼ困りません。しかし、交流電源となるとホビイスト向けの製品はほとんどなく、まれに中古がヤフオクに出品されても、すぐに高い価格で落札されてしまいます。予算が微小な当実験室では買えません。
スライダック(ボルトスライダー、0V〜130V可変)は所有していますが、元が家庭用の100Vですので、きれいな正弦波ではなく、電圧も数%はふらふらと変化し、周波数は変えられません。そこで、当実験室ではホームACパワーアナライザの開発を行うにあたり、代用品の導入を考えました。出力200Wのオーディオアンプにファンクションジェネレーターから正弦波を入力し、スピーカー端子に100V⇒24Vのトランスを逆に接続して0V〜120Vの交流出力を得ます。
AC電源.jpg

(左の写真をクリックして拡大)
オーディオアンプは業務用のPanasonicのRAMSA WP-1200B(200W+200W)を片チャンネル使用しています。実はBTL接続で400Wを狙ったのですが、なぜか直ぐにAチャンネルが故障。とりあえず200Wでも困らないのでBチャンネルだけ使用しています。この種類の業務用パワーアンプはヤフオクで結構安い価格で売られています。トランスはパチンコ台の電源として使用されていたものらしいトライダルコアの100V⇒24V、350VAです。このトランスはヤフオクで低価格で沢山売られています(別ページのリチュームイオン電池のタブ溶接用と同じもの)。
入力ソースはファンクションジェネレーターですので、周波数はもちろん、波形も必要があれば変えることも可能です。電圧を安定化する回路は有りませんので、無負荷で出力電圧を100Vに調整して、90W定格の電球(105V時に850mAくらい)を接続すると97Vくらいに低下します。使用目的にもよりますが、実用範囲内と思います。周波数は20Hz〜数kHzまで問題なく使用できます(当実験室の場合、あまり周波数を高くしたらトランスに取り付けている電圧計が燃え出しました)。
AC電源ON.jpg

この交流電源は最近行ったR6551マルチメーターの交流電圧・電流レンジ校正にも使用しました。






なお、試してはいませんが、ハイインピーダンス出力端子が有る屋内放送用のアンプの場合はトランスを内蔵していて、そのままでも100Vくらいの電圧出力が有るようです。出力は数百ワットあるのが普通です。でも最低でも100V+の電圧が欲しいので交流電源の代わりに使えるかどうか?です。

posted by ひら at 17:18| Comment(1) | 測定器

Advantest Multimeter R6551

AC電圧レンジのノイズフロア上昇とエラーコード“Err CA”

古い測定器を愛する人(本当はお金が有れば…)との情報共有のために古いアドバンテスト社製のデスクトップマルチメーターR6551の不具合に関して私の経験を書いておきます。

@ AC電圧計のノイズフロア
10年ほど前にR6551をネットオークションで安価に入手しましたが、数年使用後にAC電圧レンジのノイズフロアが上昇し(300mVレンジで入力ショート時に約170mV, もちろん高い電圧レンジでも入力が無い状態の表示が大きくなる)AC電圧の測定に支障が出てきました。その後数年間は棚に置きっぱなしになっていましたが、UX生さんのサイトに同じ症状の修理方法を発見。UX生さんに感謝・感謝です。
http://web1.kcn.jp/tube/DMM.R6551.html
さっそく私のマシンに応用させていただきました。私はこの機会に全部の電解コンデンサを交換してみました。取り外し後、容量を測定してみると普通の片側にリードが2本出ているタイプは全数定格の70〜90%の容量が有り、問題になりそうな劣化は見られませんでしたが、表面実装の電解コンデンサは全数容量が定格の1/20〜1/3程度まで低下しており全滅でした。ケース内のスペースは十分にあるので、新しいコンデンサは表面実装タイプは使用せず、通常のリード線タイプを使用しました。また、6.8μFの電解コンデンサは105℃品が手に入らなかったので、タンタルコンデンサを使用しました。
0_372mV.jpg

結果はAC300mVレンジの残留ノイズは0.4mV前後(ウォームアップ後、測定レートスロー時)に激減しました。UX生さんのサイトの報告より良い結果ですが、基板の部品レイアウトを見ると私のマシンは改良バージョンのようにも見えます。それかタンタルコンデンサの使用で高い周波数でのノイズが減ったのかもしれません。

A エラーコード "Err CA"
この機種は校正値が電池(リチュームイオン一次電池)でバックアップされたRAMに保存されています。私のR6551に使用されているICの日付コード(西暦の下2桁+週の番号2桁の計4桁)は1990年の後半がほとんどなので、1990年末か1991年初めの製造と思われます。バックアップ電池の電圧を測ると3.7Vあり、電圧はまだ十分ですが、さすがに29年前の電池は明日死んでも不思議ではありません(取り外し後に確認したら1990年11月製造でした)。校正値が消える事は覚悟で、電池もついでに新品と交換することにしましたが、同じリード付きは入手が難しく、有っても大変高価なので、秋月で売っている1/2AAサイズの塩化チオニルリチウム電池とピン付きの電池ボックスを使用しました(バックアップ用に電池ボックスの使用はちょっと?ですが…)。ピン付きの電池ボックスは元の電池の足の穴とちょうど合います。
ところが、電解コンデンサと電池を交換し終えて、電源スイッチを入れると "Err CA" と表示され、キー入力を全く受け付けません。
Err_CA.jpg

ネットからダウンロードした取説を見ると、校正の方法は書いてあるのですが、このエラーコードの場合は「最寄りの営業所、または代理店まで連絡してください」とあります。校正値が消えるのは想定内ですが、どうやってこのエラーを解除して、校正を実行できるのかわかりません。校正値は製造後30年近く経つており、校正ステッカーも貼ってないので、全く当てにならないので、当実験室で一番信用できそうなマルチメーターと比較で校正し直せばよいのですが…。しかし、エラーの解除方法がわからないと…。
もちろん、電池を交換しなくてもそう遠くない時期に同じエラーが出るでしょうけど。

1時間くらいググってやっと見つけました!!!
http://bbs.38hot.net/thread-94117-5-1.html

実機で確認した内容を含め、要点をちゃんとした日本語で書くと;
--------------------
2セットの校正値がTC5564 RAMの0x7413 – 0x755Cと0x7567 – 0x76B0に格納されている。最初のバイト0x7413と0x7567がチェックサムである。
スイッチオン時に両方のチェックサムが計算され、両方とも間違いであるとErr CAが表示され、キーの入力を受け付けなくなる。
一旦スイッチを切り、背面のCALスイッチがONの状態(押し込んだ状態)でV DCとSHIFTの両方を押しながらパワースイッチを入れる。27C256 ROMに収納された2セットの校正値の初期値がRAMにコピーされ、通常の校正モードに入る。
----------------------
また、この情報を提供した人によると、電池の交換時に表面実装の電解コンデンサを交換するのが「当たり前」のようです。
http://bbs.38hot.net/thread-94117-4-1.html

重要:ROMからロードされる初期の校正値は正確な値と比較して数%の誤差があるようですので、校正を実施しないとネットで買える1000円のテスターの方がよほど精度が高いです。必ず校正を行う必要があります。
本来は校正するマルチメーターより一桁以上精度の高い校正器が必要ですが、そこはアマチュアと言うことで…、私の場合は手持ちの測定器を総動員してそれなりの校正を行いました。本来の精度より1桁落ちくらいなら御の字?でも、30年前の校正値よりマシではないかと…。

posted by ひら at 16:50| Comment(2) | 測定器

2019年04月23日

自作スポット溶接機、ハイパワーバージョン

カラオケ用アンプから取り外したトロイダルトランス使用

1. イントロ
前回はパチンコ台用のトロイダルトランス(350VA)を使用し、電池にタブを溶接する自作スポット溶接機を紹介しました。電池タブの溶接には十分のパワーがありましたが、もっとハイパワーのスポット溶接機を作ろうと思い、トランスを探しました。例により、電源トランスが使用されている廃品の電子レンジの入手は難しいです。そこで、今回は業務用カラオケマシンのパワーアンプの電源に使用されているトランスに目を付けました。Google先生に聞いてみると、BMB製DA-01には大きなトロイダルトランスが使用されていると教えてくれました。このアンプは業務で毎日長時間酷使されているせいか、時々不良品がヤフオクで1,000〜2,000円程度で売られています。正常品だと5,000円〜20,000円くらいです。そこで、不良品を2台購入してみると、どちらもドライバーICが焼け焦げています。パワーアンプとして復活させるには難しいでしょう。でも、目的のトランスは全く問題ありません。他にも有用な部品がたくさん回収できます。
1_DA01.JPG
2_TroTrans.JPG









このトランスの詳細の規格はわかりませんが、RSコンポーネントで販売しているトロイダルトランスと比較すると、重さ、大きさから500VAくらいの容量が有ると思われます。これを2個使用して1kWを目指します。溶接機の場合、負荷は純粋な抵抗ですので、力率 ≒ 1で、ほぼVA = Wと考えてよいと思います。

3_Holesaw.jpg
4_CoreOfCore.jpg
問題は、トランスの固定用にコアの中心部にナットを配置するため樹脂が充填されているので、簡単には二次巻線を追加できないことです。そこで、一台目は写真のようにホールソーを使って樹脂に穴を空けました。樹脂の粉が飛び散り大変な思いをしました。2台目もホールソーで穴をあけ始めましたが、ふと思いつき、取り付け用のボルトを中心部のナットに途中までねじ込み、ハンマーでたたくと樹脂の塊が簡単に外れてくれました。なーんだァ、はやく教えてくれよ。

5_DoubleTrans.JPG

AC100Vを仮接続してマルチメーターのリード線を穴に一回通すと0.367Vあります。トランスを2個並べてリード線を通すと0.735Vです。これなら使えそうです。一次巻線の位相やトランスの方向を間違えると0Vになるはずです。


6_TransKit.JPG
7_Completed.jpg









さっそく、MDF木材を使用して枠を作成しました。二次巻線はアーク溶接用の22SQのキャブタイヤケーブルを4回巻にしています(コアの中心を通る回数なので外には3巻が見えている)。無負荷時の二次電圧は2.94Vです。

8_BlowUp.jpg
他のページで紹介している当実験室のホームACパワーアナライザで電力を測ってみると、通電時に約600W〜1.4kWになります。トランスの定格をオーバーしているかもしれませんが、二次巻線が熱くなるような使用をしても、トランスの温度はほとんど上がりません。短時間なので大丈夫だと思います。クリックして拡大。
一次側と二次側の電圧比が35あるので、二次電流は200〜500Aくらい流れている事になります。

9_handgear.jpg
10_Tip.jpg










実際にスポット溶接をするには電極で対象物を挟み込まなければなりません。20mm X 20mmの角材で作ってみました。ヒンジが安物でガタガタなので、電極がズレますが、溶接する時に手で合わせます。見にくいかもしれませんが、ヒンジのところにスポンジ状のゴムを張り付け、使わない時は電極が離れるようにしています。木なので焼けてしまうかなと思いましたが、これまで300回くらい使用してみましたが全く問題ありません。
溶接機の電極は60〜80W半田ゴテ用のコテ先の先端部をヤスリで直径1mmくらいに円状に平らに削って使用しています。22SQ用の圧着端子は工具が無いので、M5のタップ穴を開けて電線を差し込みネジで止めましたが、問題は無いようです。

Controller.jpg

電流と通電時間のコントロールは以前に作ったパチンコ台用のトロイダルトランス(350VA)を使用したものをそのまま使用します。ただし、トライアックは多少暖かくなるので、小型のヒートシンクを取り付けた方がよいでしょう。使用されているトライアックの定格は100Aです。



13_Megane.jpg
11_Welding.jpg


さて、スポット溶接の能力ですが…。その前に、必ず保護メガネ着用!!!(電力の測定をしている時の写真では保護メガネをしていませんが、私自身の経験を元に強くお勧めします;´д`)

- 0.3mm厚ステンレス板 ⇒ 電流を50%、時間を0.5秒くらいでも簡単に溶接できる。
- 1mm厚のステンレス板 ⇒ 電流を最大にして時間を長めにすれば強力に溶接可能。
ステンレスは電気抵抗、熱伝導、比熱などがスポット溶接に最適な材質のようです。

一般に入手容易なトタン板やクロメート処理をはじめとする各種の亜鉛メッキ鋼板はあらかじめサンドペーパーなどを使用して接合側の表面を露出させておくと溶接が簡単で、接合部分が強力になります。亜鉛メッキを取り除かない場合は溶接できても強く引っ張ると取れてしまいます。亜鉛が鉄に溶け込むのでしょうか?電極を当てる側も鋼板を露出させるとさらに良い結果が得られます。0.5mm厚くらいなら電流を最大にして、1秒くらいで強力に溶接できます。1mm厚くらいまでは電流最大で時間を長め(もしくは複数回)で溶接可能でした。ただし、ケーブルが熱くなるので、一度に何か所も溶接するのは無理。

- アルミ板 ⇒ 0.5mm厚でも表面に軽く溶跡が付くだけで、全く歯が立たず。電気抵抗が低いのでジュール熱の発生が少ないのと、熱伝導が良いので、熱がすぐに逃げてしまう。桁違いの電流が必要らしい…。

12_Totan.jpg
溶接のコツとしては、始めは電極を軽く当てておき(接触抵抗が大きくなるので、ジュール熱が多く発生する。板と板の間に隙間が有っても良い。)、溶けだしたら(温度が上がると電気抵抗が大きくなる)強く押さえると良いようです。使用しているコントロールボードの通電時間は最大2秒ですので、それ以上必要であれば、複数回通電すればよいです。

YouTubeに動画をアップロードしました。溶接の様子をご覧ください。
https://youtu.be/jz8G4pxRWXM

YouTube video is also available in English language.
https://youtu.be/FoOZM5TgHq8


posted by ひら at 08:39| Comment(7) | スポット溶接機

2019年03月25日

接着剤が付いていないタイプの偏光板シートを使ってみました。

以前に「接着剤が付いていないタイプの偏光板フィルムを使用した方が良いかもしれません」と書きましたが、それを実際にやってみました。

どちらが良いか、結論を先に書くと完全に「あなた次第です」。

接着剤付きタイプ
利点
●最高に良い感じ(成功すれば…)

欠点
●最初の位置決めが難しい(接着剤が必要以上に強い、素材が厚く、硬い、などが原因)
●ゴミを噛み込むリスクが高い(同じ理由で作業に時間がかかるため)
●ゴミを噛み込んでしまうと、接着の弱いスマホの画面保護フィルムと違い、取り除くのはほぼ不可能(と思う)。私の技能ではここでジタバタすると、さらにゴミが入り込んでしまう。
●(私の技能では)気泡ができるのは避らけれないが、空気が抜けるのが非常に遅い(1年かかる?)
●失敗すると剥がしての再使用は不可能
●値段が少し高い
●偏光の方向を決めるときに暗明が明確でない(接着剤+保護シートが偏光を乱すみたいです。接着剤を自分の方に向けると暗明がはっきり出るのですが、接着剤を液晶画面の方に向けると暗明がはっきり出ません。でも保護シートを剥がすとはっきり出ます。偏光板の角を少し切り取って保護シートを剥がして偏光の方向を決めると良いようです。)

接着剤無しのタイプ
利点
●位置決めが簡単
●何度でも剥がし、再挑戦できる(でも、その必要は無し)
●値段が少し安い
●偏光の方向決めが容易(暗明がはっきり出る)
●ゴミや気泡に鈍感(ベースのガラス面と偏光板シートの間に部分的にわずかな隙間ができるのが理由。一方でこれが画面のムラの原因。)

欠点
●偏光板フィルムとベースのガラス板が密着するところと、密着しないところができ、画面にムラができる。
写真でオレンジ色の線で囲んだ部分の色ムラがわかると思います(写真をクリックすると拡大できます)。明るい部分が密着している部分です。実際の画面を目で見ると写真よりもう少し悪いかもしれない。
接着剤無し画面.jpg








結論
あなた次第
●接着剤付き:なんでも完璧でないと気が済まない人、作業に自信がある人(スマホ保護フィルム貼りの達人なら大丈夫)向き
●接着剤なし:リスクを冒したくない人、実用的に問題ないならそれで良しとする人向き

実は、当実験室で使用しているアドバンテスト製の測定器(ネットワークアナライザ)の画面がやはりビネガーシンドロームに冒されており、近いうちに修理しようと考えていますが、古いけど高価な機械で、作業中に壊した場合に代わりの部品の入手はほぼ不可能なので、少しでもリスクを減らすため、選択肢は「接着剤なし」です。
Advan.JPG








張り替えるときのちょっとしたアドバイス
接着剤付きの偏光板シートを張っているときに気泡ができそうになった場合、少し引っ張って戻すと、貼り終わった時にその部分が白く濁っていることがあります。接着剤に空気が混じり込むのかもしれません。しかし、数日で何事もなかったようにその部分は透明になります。


2019年03月24日

いつの間にか気泡が抜けていた!

フォローアップです。
2017年の5月に偏向板のフィルムを張り替え、その時点で直径8mmくらいの気泡が2か所残っていたわけです。その後、1年ほどは海外にいたので使用しておらず、帰国後2018年11月頃にやっと気づきましたが、いつの間にか気泡がきれいになくなっていました。ただし、あまり気にしていなかったゴミを噛んでできた小さな気泡は、当然ながらそのままです。
スマホの画面保護用フィルムは空気を通す性質があるので、ごみを噛んでいない限り、一晩から数日で気泡が抜けますが、そのような配慮が無い偏向板フィルムは永遠に抜けないと思っていたのですが、うれしい誤算です。
食品(例えば醤油)でもビン詰とプラスチックボトルでは賞味期限に違いがあるように、プラスチック類はわずかに空気を通す性質があるのは知っていましたが、これを自分の目で確かめる機会があるとは思ってもいませんでした。

2019年03月12日

自作スポット溶接機(リチウムイオン電池タブ溶接用)

パチンコ台用のトロイダルトランス使用


コントロール基板を50Hz地域以外で使用した場合の情報を追加しました(2019年11月10日)

1.イントロ
YouTubeやWebサイトではリチウムイオン電池やニッケル水素電池のタブ溶接用の自作スポット溶接機は容量の大きい電解コンデンサやスーパーキャパシタに溜めた電荷を一気に放電させる方式と、大きな電源トランスを使用した方式が紹介されています。
Microwave.jpg

大きな電源トランスを使用した方式は旧式の電子レンジに使用されているトランスの二次側を壊して取り外し、数回巻きの低電圧、大電流の二次側の巻き線を作成するのが多く紹介されています。例えばこれ
写真をクリックしてオリジナルサイトへ。



ところが、電子レンジの高圧電源はかなり以前からインバーター方式になっており、電子レンジ用のトランスの入手は難しくなっています。また、近年廃家電品は資源再生用に管理されており、簡単にもらってくるわけにはいきません。昔はラジオ、テレビなどは道に捨ててあるのを拾ってきて、部品を取り外して使ったもですが…。その他の一般に入手できるトランスでは重ね巻きされており、二次側の巻き線を取り外すのは難しいです。
Trans and electrods.jpg
Spot welder.png












そこで、当実験室ではヤフオクなどで安く売られている、パチンコ台に使用されていたトロイダルコアの24Vトランスに注目してみました。トロイダルコアなので中央に穴が有り、簡単に低電圧、大電流用の巻き線を追加する事ができます。
左上の写真の状態でも、一応溶接できますが、安定した強度で、きれいに溶接するには、電流と通電時間の調整が必要です。一番簡単なのはebayや日本のAmazonで売っている中国製のコントローラーボードを使用することです。こんなのが(右上の写真)約1500円(ebayの例)〜約2500円(日本のアマゾンの例)くらいで買えるので、自分で設計して、マイコンをプログラムし、部品を集めるより、はるかに安く簡単に作れそうです。
ところが、この手の製品は価格的に魅力がありますが、実際の使用方法については情報がかなり不足しています。販売のサイトにスペックは表示されていますが、詳しい使い方は説明されていません。
そこで、当実験室ではダメ元で購入し、最悪リバースエンジニアリングを行うことを覚悟で、実際に使用できるか試してみました。2週間くらいで品物が送られてきましたが、いつものように説明書等は全く同封されていません。
海外のWebサイトやYouTubeを調べてみると何となく使用方法がわかってきましたの、製作に踏み切りました。

2.トロイダルトランス
まず、ヤフオクからパチンコの電源に使用されている容量350VA、AC24V出力のトロイダルトランスを入手してみました。容量が少し足りないかなとも思いましたが、結果的に電池のタブを溶接する用途には十分でした。トロイダルコアの中心を通っているボルトとナットを取り外し、ケースの中心の穴を広げ、電線を数回巻いて電圧を測ると、1回あたり0.372Vです。
Rods.jpg

写真のような溶接電極を用意してみました。ホームセンターで買った銅棒です。ただ、純粋な銅はもっと柔らかいハズなので、これは合金で硬くしたのだと思います。多分、純粋な銅棒をホームセンターの商品として展示していたら、お客さんから触られてクニャクニャになってしまうのだと思います。純粋な銅より電気抵抗が高いかもしれませんが、とりあえずこれを使用します。持ちやすいように16Cmくらいに切断して、一方をヤスリでとがらせます。棒は熱収縮チューブを2重に被せ電気の絶縁を兼ね、熱くなっても手で持てるようにしています。


この溶接電極に断面積5.5sq mmのIV線3mをはんだ付けしました。
電線を接続した溶接電極を溶接対象のニッケルストリップにあてた状態で4端子抵抗測定(https://www.hioki.co.jp/jp/support/faq/detail/?dbid=1682)で電気抵抗を測ってみると、合計で20mΩ程度です。

巻き数を少しずつ増やして、溶接を試してみると、10回巻きで十分な溶接ができました(つまり無負荷で3.72Vです)。溶接のコツがわかってくるともっと低い電圧でも良いかもしれませんが、コントローラーで電流を減らすことができますので、これを最大値とします。また、入手したトロイダルトランスに径が4.8mmもあるIV線を10回以上巻くのはかなり難しそうです。
念のためですが、トロイダルトランスの巻き線の回数はコアの中心を通る回数です。したがい、外側には9本の巻き線が見えます。
一次側には125度、7Aの温度フューズが入っていました。二次巻き線の数を増やし、電圧を上げ、電流が増えてくると、これが飛んでしまいました。トランスの温度はほとんど上がっていないので、過電流で飛んだと思われます。幸いなことに、このトランスのオリジナルの24V の二次側には普通のフューズホルダに入った15Aフューズが入っていたので、トランスの中の配線を変えて一次巻き線用につなぎ変えました。フューズを10Aに変えて試すと一発で飛んでしまいました。15Aに戻してこれまで100回くらい使ってみましたが、フューズが飛ぶことはありません。本来ならこの用途にはスローブロータイプのフューズを使用するべきところです。

2.コントロールユニット
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コントローラーボードをこんなお弁当箱に入れてみました。
下にある黒い箱のようなものはフットスイッチです。
クリックで拡大できます。





●表示ボードの右上の2桁の7セグLEDが電流で、トランスに直接AC100Vを接続した場合と比較して30%〜99%に調整できます。
●左上の2桁の7セグLEDが溶接の通電時間で、20mSを一単位として、20mS x 0〜99まで設定できます。
●下の3桁表示は、通電中は供給電圧、通常はスポット溶接の回数が表示されます。
●ロータリーエンコーダのつまみを押し下げると、該当する項目の該当する桁が点滅するのでロータリーエンコーダのつまみを回して調整します。なぜか、時計回りで数値が少なくなる???
●設定したら、再度つまみを押し下げて、次の桁へ移動します。
●設定を終えて、どの表示も点滅していない時にトリガスイッチ(フットスイッチ)をONにして、放したタイミングでトランスに通電します。
●スポット溶接の回数はつまみを2秒程度押すとリセットされます。
●供給電圧の表示はデフォルトで220Vになっています。校正はロータリーエンコーダのつまみを押し下げながら電源を入れ、ロータリーエンコーダで実際の電圧と合わせます。

このトランスとの組み合わせで、18650サイズのリチウムイオン電池に0.1mm厚のニッケルストリップを溶接する場合は、電流80〜90%、時間は20mS x 15〜20が適当のようです。コツは、溶接電極の一方を電池の電極に強く押し付け、もう一方はストリップの溶接したいところを軽く(動かない程度に軽く)押さえる事です。軽く押さえるとその部分の抵抗値が高いので、流れる電流が同じならジュール熱は抵抗値が高いところで多く発生します。
良くない例として、両方の電極をストリップの上に置くと、電極間に多くの電流が流れてしまい、母材との溶接が十分にできません。慣れてくると、以前はうまくいかなかったハズの電流や時間でも上手く溶接できるようになります。つまり、コツの習得が必要です。

スポット溶接の様子を動画にとってYouTubeにアップしました。
https://www.youtube.com/watch?v=Kta-hoXUjU0&t=9s

3.製作の注意
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電源と二つのトランス、コントローラーボード、トリガスイッチ(フットスイッチ)は左の図のように接続します。








コントローラーボードに電源を供給するAC9V〜12Vには、ハードオフで買った古いトランス式の電源アダプターから取り出したトランスを使用しました。アダプターの公称出力はDC9V-200mAですが、トランスの無負荷電圧はちょうど10Vでした。なお、ここに供給するのは必ず交流である必要があります。理由は、コントロールユニットの電源供給だけでなく、トロイダルトランスに供給する電流と時間の制御をこの交流入力に同期させるためです。
コントローラーボードの100AトライアックはON/OFF動作で、短時間ですので、ほとんど温度は上がりません。ヒートシンクは不要か、小さなものでOKです。

4. コントロールのしくみ
ここで、このコントローラーボードがどうやって通電時間と溶接電流を調節しているか解析してみました。
20mS x 10.bmp
99%.bmp










通電時間は20mS、つまり50Hzの1サイクルを一単位として、左の写真は10サイクル=200mSの期間通電しています。通電の開始はサイクルの始まりと同期していますが、開始はプラス側の場合とマイナス側のどちらの場合もあります。ただし、電圧がゼロをクロスする時点より常に約600uS早いです(トランス通過時の位相ズレの補正が合ってない?)。
右の写真は電流が99%の時で、供給されている交流50Hzの波形とほぼ同じです。
50%.bmp
30%.bmp










左側は電流が50%の時です。各サイクルのプラス側とマイナス側の後半の2/3程度のみ通電しています。右側は30%で後半の約半分(1/4サイクル)のみ通電しています。通電時間が少ないと平均電圧が下がり、電流が少なくなります。これは、白熱電球用のサイリスタ調光器と同じ原理です(使用してあるトライアックは双方性のサイリスタです)。
http://www.tamatech.co.jp/tamada/benkyo01.php

これらの制御のためにコントローラーボードは供給される交流の位相を知り、1サイクルが20mS (50Hz)なのか16.67mS (60Hz) なのかを考慮する必要があります。つまり、このユニットは通電時間を20msで一単位にしているので、50Hz専用なのかもしれません。しかし、別の考え方をすれば、最小値が30%なのは、このコントロールボードを60Hzで使用しても、次のサイクルに影響しないようにしているのかもしれません。溶接機は精密な制御が必要な訳でもないので、これでも性能は十分なのかもしれません。
ただし、他の類似製品には50Hzと60Hzのどちらでも使える(自動判別)を明記してある製品もあるので、60Hz地域の人はそちらを購入した方が無難かもです。

ちなみに、このオシロスコープでの波形観測には、溶接機とオシロにはそれぞれ絶縁トランスを通して100Vを供給しています。でないと、オシロのプローブを直接AC100Vに接続すると漏電ブレーカーが飛びます。実は、この絶縁トランスもパチンコ用のトランスを二個使用して自作したものです。


アップデート(2019年11月10日)
下のコメント欄に有るようにこのブログを読まれた方からこのコントロール基板は60Hz地域では働かないとのコメントが有りました。この基板は50Hz用であることは分かっていましたが、60Hzで使用するとどうなるかあまり深く考えずに一応使えるのではないかと書いてしまい、コメント主さんを人柱にしてしまいました。そこで、なぜ使えないか調べてみました。
このコントロール基板の制御の詳細を調べようと思い、実験をしてみました。このブログの他のページで紹介しているオーディオアンプとファンクションジェネレターを使用した実験用交流電源を使用し、40Hz〜120Hzで出力波形がどうなるか調べてみましたが、明確な制御ロジックを見つけることはできませんでした。トライアックのトリガ信号と交流出力の関連を見たかったのですが、入力チャンネル間のグランドがアイソレートされた特殊なオシロスコープが必要になり、貧乏な当実験室では買えません。したがい、出力波形のみの観測です。

結局、理由はよくわかりませんでしたが、下の波形の通り、50Hz以外では正常な作動はできない事だけは確認できました。60Hzでは3サイクルの内2サイクルに山が欠けてしまっているので、コメント主さんの報告通り電圧計で測ると低い電圧になってしまいます。また、異音がするのは周波数が1/3(非常に変則的ですが)になってしまっているのが原因かもしれません。
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60Hz 70pc 2019-11-10 15_08_59.png







60Hz時の出力波形。左が電流99%(最大)、右が70%です。(クリックで拡大)

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40Hz 99pc 2019-11-10 15_08_59.png


40Hz、電流が40%です。一見電流の%割合が違うだけで使えそうですが、右の電流99%では全くダメです。

70Hz 99pc 2019-11-10 15_08_59.png


70Hz、電流99%だとこんな感じです。






アマゾン等で売っている基板の説明で通電時間の単位が0.02秒(20m秒)のものは50Hz専用だと思います。60Hz地域の人はスペックに50Hz・60Hzのどちらでも使用できると明記されているものを購入してください。これらのコントロール基板は電源を入れると数秒で入力された交流の周波数を測定して表示し、以降それに応じた制御を行うようです。



posted by ひら at 15:22| Comment(47) | スポット溶接機